2021年京都サンガの編成について思うこと -前編-
今更ですけど、気持ちの整理も兼ねて。
監督
曺貴裁氏。
かつては湘南を率い、J1昇格を果たし、J1で戦ってきた、とても優秀な方だと思います。
京都サンガも2015年オフでしたっけ?にオファーをしたものの、その時は湘南の監督を続けるとのことだったので、ようやく念願叶って、というところでしょう。
一方で、その指導方法の一部はパワーハラスメントと判断され、ライセンス停止処分を受けました。今回の就任はその停止処分からの再出発となります。
今回の就任について個人的には正直に言うとちょっと複雑な気持ちでした。
誰でも過去の過ちから立ち直る機会は与えられるべきとは思っていますし、実績があるので期待しているのはもちろんあります。
ただし、再出発に向けてちゃんと適切なステップを踏んだのだろうか、受入体制は万全なのか、という、本人だけでなくサッカー協会とか京都サンガとかに対して、心配があります。
ライセンス停止中に大学サッカー部のコーチとしてやっておられましたが、そこに招いたサッカー部の監督がパワハラの専門家というわけでもないです。
だから、再出発に向けて再発防止の研修や訓練が十分に行われたのか、もう大丈夫だと第三者的な誰かが判断したのだろうか、わからないんですよね。
(メディアの記事には研修を受けた、との記述があったのでゼロではないでしょうが)
あと、退任後のインタビューを読んで、なんとなく違和感を覚えました。
なんとなく時代が違うんだ、みたいな感覚を残しておられるような。
そうではなく、パワハラは昔も今も問題行為であって、ただ昔は社会の感度が低かったから引っかからなかった、ってだけなんですよ、と思うのです。
最後のコミュニケーションだけでなく、その根本から見直さないと危ないよ、と感じました。
(すいません、自分もうまく表現できず・・・)
また、曺貴裁さんの就任時に、京都サンガの社長がパワハラ問題に全く触れずにコメントしていたのも、受け入れ側の組織として、リーダーとしてどうかな、と思いました。
例えば、企業でもパワハラ防止の研修があったり、内部告発の窓口を設けたりしてますね。そういうのを用意したりするのでしょうか?報告書から何を学び、クラブとして準備をしたのでしょうか。
再発防止のため組織でこういうことしていきます、って公表するだけでも、指導を受ける選手も、選手の家族も、応援するサポーターやスポンサーも安心できたんじゃないかな、って思います。
(少なくとも選手にはあったんでしょうけれど)
あとはこういうことやっていきます、と示すことで、これ以上の余計な詮索は不要です、と、クラブが監督や選手、チームを守ることにもつながるのではないでしょうか。
ということで、なんとなくモヤっとしたものを拭えないままでした。
それでも、やっぱり就任された以上、大きな期待と、厳しい視線を受けることになると思いますが、京都サンガを強く、熱いクラブにしていただきたいと希望します。
フロントにおいては、すぐに結果が出なくても、またバサッと切るようなことはしないでほしいと思います。
ちなみに曺貴裁さんの就任リリース
曺貴裁氏 来シーズンより監督就任のお知らせ|京都サンガF.C.オフィシャルサイト
の中の社長のコメントに
真に強いクラブを作るためには、体質の抜本的改革が不可欠であると考えました。
とありましたが、それはフロントのことやぞ、と突っ込まずにはいられませんでした。
コーチ陣
いつも寄せ集め感のあるコーチ陣と異なり、曺貴裁氏と親しい方、元同僚の方が集結しました。これはちょっと驚きでした。
プロの現場に復帰する曺監督にとって親しく、かつ忌憚のない意見のやりとりができるスタッフを揃えたことで監督にとってもやりやすくなったでしょう。
長澤さんなんかはよく来てくださいましたね。(言い方悪いですがいざという時の保険でもあるのかもしれませんが)
杉山コーチは名前を聞くたびにドラクエのオープニングが流れてしまって大変です。
2010年のJ2降格以来、単年で見ると輝く年もありつつもこの10年を通して見れば、まさしく迷走の10年、そして今年11年目のJ2シーズンを迎えることになったわけですが、ようやく根本から改革をするシーズンになるのかな、と期待します。
アカデミー
一方で、アカデミーの新体制がちょっと気になりますね。
U-18の前監督の前嶋さんは横浜FCに移籍されました。
(すごく残念だな、って思いますが、活躍をお祈りします)
昨年は海外からスタッフを招く動きもあったようですが、コロナ禍で断念された模様です。
アカデミーの充実はクラブの将来の土台であり希望でもあります。選手達を育て、支え、守るスタッフの充実を期待します。
くれぐれもクラブの迷走が選手達を振り回さないように・・・・・